| 結婚式特集３ 11月11日
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〇メークにセット
美容室のサービス券があるからセットとメークに使いませんか、と雅枝さんからお申し出があったのですが、メークというと真っ白な顔を、セットというと鳥の巣みたいな頭が浮かんで、いったんはお断りしました。が、花嫁さんじゃあるまいし、そんなになるはずがないと秀明さんが言うので、考え直して予約をお願いしました。 案内されて美容室に行くと、男性の先客。ちらっと見たら、なんと和久。今時の花婿さんは、メークとセットをするようです。 私はお化粧をしないし、手入れもニベアをぬるだけです。手抜きの分だけ、シミだらけです。ところがところが、ファンデーションをぬると小さいシミは隠れて、残った大きいのはチョンチョンと修正して、すっぴんのきれいな肌に変身。この技術は、たいしたものです。 マスカラと目元パッチリのカーラーは余計だと思いましたが、全行程ひとまとめで全体のバランスがとれるのだろうと考えて、けっこうです、の言葉を飲みこみました。が、感激して泣くつもりだったので、黒い涙やはげはげのまだら肌は何もしないよりみっともないと心配して、伺ってみました。こすらないで押さえるようにすれば大丈夫とのこと、安心しました。 セットは、お行儀の悪い髪の毛が出ないようにするだけでした。 〇面倒くさいよっ 美容室の次は、着付けの間へ。三人がかりで、あっという間に着せてもらいました。 ビールをたっぷり飲むつもりだったので、心配はトイレ。どうしたらいいか、質問しました。 せっかくの美しさが、着付けの間だけのことになったら大変です。 外から一枚づつめくって、最後によいしょとはしょって、次は中から一枚づつ重ね、襦袢をちょっと折るとか。ため息です。 〇泣けてよかったぁ！！！ 式前に頭に浮かぶ私は、感激して泣いている姿ばっかりでした。ところが本番になったら、式では雅枝さんのお母様の涙ぐんでいる様子を拝見して逆に泣けませんでしたし、披露宴では、祝辞を述べながら涙ぐんでおられた友人の方に先を越されたと、涙が引っ込んでしまいました。泣かないで終わるのかなぁと思った最後の最後、私たちのために演奏してくれた雅枝さんのピアノの音を聞いたら、ドッと涙が出てきました。私らしく終わって、よかったです。 〇行きはよいよい帰りは大変 メークと着付けがあるので１時半に来てください、とのことでしたので、11時半に家を出ました。一時間前に到着して、でも緊張して昼食は食べられそうになかったので、近くの野毛山公園で時間をつぶしました。キノコが出そうだと、こんな時までキノコの話になっています。幸いキノコの姿はありませんでしたが、すごい株にでも出会っていたらと想像すると、滑稽です。 なのにです。帰りは高速に乗れませんでした。同じ場所を三回ぐるぐる回っても入口がわからず、諦めて16号線で戻りました。 |
| No.450 鈴子の部屋 二人山脚 |